個人が所有する不動産は、自らがマイホームを購入した場合や投資目的に物件を購入した場合以外にも、親から子などによる相続で取得することもあります。
相続が発生して親の不動産を譲り受けることになれば税金がかかることで家計の負担になり、既に居住している不動産がある場合には相続を受けた物件まで管理することも難しいというケースも考えられるでしょう。
管理が難しいなら売却したほうが良い?
しかし管理することが難しいからそのまま放置しておいても、結局は固定資産税を支払う必要がありますし、一戸建てなら傷みが早く進み、マンションでも価値が低下していきます。
そのため相続した不動産を売却することを検討するというケースもありますが、相続不動産を売却する時には所有者を変更する手続きや、相続人が複数いることで話が進まないというケースなどがあります。
相続した不動産を売却するには相続登記が必要!
まず不動産を相続した時には、亡くなった人の名義だった不動産を相続人の名義に相続登記で変更することが必要です。
この相続登記はいつまでに行わなくてはならないという期限が設けられていないので、元の所有者が亡くなっても名義をそのままにしてしまうケースも見られます。
しかし相続登記で名義を新たな所有者に変更していないと不動産は売却することができませんので、先に相続登記を行うようにしましょう。
譲渡益の申告が必要
相続した不動産でも売却したことで利益を得た場合には課税の対象になりますので確定申告が必要です。
譲渡所得の申告の際には、譲渡した不動産の取得費や減価償却費がいくらかを確認しておく必要があります。
減価償却費を算出するためには取得時期がいつかがわからなければ計算できませんので、相続する不動産の売買契約書などで確認しましょう。
なお、売買契約書がなくて取得費が分からない場合には、売却した時の譲渡金額の5%相当額を取得費として計算します。
譲渡税を軽減することも可能?
親から子というように、亡くなった人から財産を相続した場合にはその額に応じた相続税が課税されることがあります。
相続税の申告は被相続人(亡くなった人)が死亡したことを知った翌日から10か月以内に行うことが必要で、さらにこの期限内に相続税も納税しなくてはなりません。
最初から売却すると決めていたとしても、相続税の納税を迫られることになるでしょう。さらに相続した不動産を売却して利益が出た場合には譲渡税も納めることになるので、税金ばかりで損をした気分になるかもしれません。
そのため相続した不動産を相続税申告期限の翌日から3年以内に売却した場合には、相続税の一定額を取得費として加算することができる「相続税の取得費加算の特例」が設けられています。
相続税の一部を取得費に加算することで譲渡益を抑えることができるので税金の負担を軽くすることができます。
損しないためにも専門家に相談を!
相続した不動産を売却する時には、手続きや税金のことなど色々なことが関係してくることになりますので、損をしないためにも専門家などに一度相談してみることも大切です。