大手不動産会社

大手不動産会社のメリットと一般的に考えられていること

メリットとは限らないこと

● 物件が豊富にあり選ぶ選択肢が多い

大手不動産会社は全国的なネットワークを持ち、多くの物件情報を提供することができます。広範囲にわたる営業エリアをカバーしているため、選択肢が豊富であると考えられています。例えば、都市部から地方まで幅広い物件情報を持っており、特定の地域だけでなく、転勤や移動が多い方にも柔軟に対応できます。
しかし、この豊富な選択肢が必ずしもメリットであるとは限りません。専任物件を強引に進められることがあるからです。専任物件とは、その不動産会社だけが取り扱う物件であり、他の不動産会社と共有しないため、囲い込みと呼ばれる手法が使われることがあります。囲い込みにより、顧客は実際には限られた選択肢しか提示されないことがあります。これは、大手不動産会社の利益を優先するためであり、顧客にとって最良の物件が提供されない可能性があります。

参考：https://mhousing-f.com/cms/slog/entry/526

● 集客力や宣伝力がある

大手不動産会社は、広告やマーケティングに多額の資金を投じることができ、広範囲にわたって宣伝を行うことができます。これにより、多くの顧客を引き付けることができ、物件の売却や購入がスムーズに進むことが期待されます。例えば、テレビCMや大規模な広告キャンペーンを展開することで、多くの潜在顧客にアプローチすることができます。
しかし、レインズという全国の不動産業者が共有するデータベースを利用すれば、中小の不動産会社でも同じ物件情報を提供することが可能です。レインズは、日本国内のほとんどの不動産取引情報を網羅しており、大手と中小の不動産会社との情報格差を縮小します。したがって、集客力や宣伝力が大きな差を生むとは限りません。

参考：https://president.jp/articles/-/13137?page=1

● ブランド力があり信用できる

大手不動産会社は、ブランド力が高く、長年の実績と信頼を持っています。これにより、初めて不動産を購入する方でも安心して取引を進めることができます。大手のブランド名があることで、信頼性が高まり、不安を軽減する効果があります。
しかし、囲い込みなどの不正行為が大手不動産会社の方が多いという報告もあります。これは、規模が大きいために多くの物件を扱い、その中で不正が目立ちやすいからかもしれません。

参考：https://diamond-fudosan.jp/articles/-/148998

大手不動産会社のメリット

接客態度がよい営業担当者が多い

大手不動産会社では、従業員の教育に力を入れており、接客態度が優れていることが多いです。顧客に対する対応が丁寧で、専門知識を持った営業担当者が多く、安心して相談できます。サービス業としての接客ができているため、初めての不動産購入でもスムーズに進めることができます。

担当地域外の情報も持っていることがある

大手不動産会社は広範囲にわたるネットワークを持っているため、担当している地域以外の情報も提供することができます。これにより、転勤や引っ越しなどで遠方への移動が必要な場合にも対応しやすく、複数の地域の物件を比較検討することができます。

重大なコンプライアンス違反を行っている業者は少ない

大手不動産会社は、コンプライアンスを重視しているため、重大な違反行為を行っている業者は少ないです。企業としての信用を守るため、法令順守に力を入れており、不正行為が発覚した場合には厳しい処分が下されます。これにより、安心して取引を進めることができます。

大手不動産会社のデメリット

融通が利きにくい＜

大手不動産会社は規模が大きく、規定やルールが厳格なため、柔軟な対応が難しいことがあります。顧客の要望に対しても、即座に対応できない場合があるため、個別のニーズに応えることが難しいことがあります。例えば、価格交渉や条件面での調整が難航することがあり、顧客にとって不満が残ることもあります。
また、大手不動産会社では、組織としての決定権が上層部に集中しているため、現場の営業担当者が迅速に対応できないことがあります。これにより、顧客の要望に応じた柔軟な対応が難しくなることがあります。

営業担当者のノルマがきつくお客より自分の営業実績を優先する傾向もある

大手不動産会社の営業担当者には厳しいノルマが課せられていることが多く、そのために顧客よりも自分の営業実績を優先する傾向があります。これにより、顧客にとって最良の選択肢ではなく、売り上げを重視した提案が行われることがあります。営業担当者が自分の成績を上げるために、顧客の意向を無視した押し売りが行われることもあります。
例えば、営業担当者がノルマを達成するために、高額な物件や専任物件を強引に勧めることがあります。これにより、顧客は自分の希望する条件に合わない物件を購入してしまうリスクがあります。

地元の情報ネットワークをあまり持っていないことがある

大手不動産会社は全国的なネットワークを持っている一方で、特定の地域に密着した情報ネットワークを持っていないことがあります。これにより、地域特有の情報や細かいニーズに応えることが難しい場合があります。地元の詳細な情報が不足しているため、地域の生活環境や利便性に関する情報が不足することがあります。
例えば、大手不動産会社は地域の祭りやイベント、学校の評判など、細かい地域情報を把握していないことが多いです。これにより、地域特有の生活環境に関するアドバイスが不足することがあります。

地元不動産会社

メリット

掘り出しもの物件を持っている可能性がある

地元密着型の個人経営の不動産会社は、地域との付き合いが長く、信頼関係も深いため、掘り出し物件が埋もれている可能性が高いです。地元の不動産会社は、地元の人々とのつながりを活かして、一般には公開されていない物件情報を入手することができます。例えば、地元の地主や長年の取引先からの紹介で、魅力的な物件を提供することができます。
また、地元の不動産会社は、長年の経験と知識を活かして、物件の価値を正確に評価することができます。これにより、掘り出し物件を見つける確率が高まり、顧客にとって有利な取引が可能となります。

買い手を見つけるのが苦手なので、積極的に他の不動産会社と連携して買い手を探してもらいやすい

地元の不動産会社は、全国的なネットワークを持っているわけではないため、物件の買い手を見つけるのが難しいことがあります。しかし、その分、他の不動産会社と積極的に連携し、物件の情報を共有することで、買い手を見つける努力をしています。これにより、顧客にとっては複数の不動産会社の情報を得ることができ、より多くの選択肢から物件を選ぶことができます。
例えば、地元の不動産会社は、他の地域の不動産会社と情報交換を行い、物件の売却をスムーズに進めるための協力体制を構築しています。これにより、物件の売買が迅速に行われ、顧客にとっても利便性が向上します。

囲い込みの心配が少ない

地元の不動産会社は、大手のように多くの専任物件を抱えているわけではないため、囲い込みの心配が少ないです。地元の不動産会社は、顧客に対してオープンであり、物件情報を広く公開することが多いため、顧客にとって有利な取引が期待できます。例えば、地元の不動産会社は、物件情報を複数の不動産会社と共有し、広く宣伝することで、顧客に多くの選択肢を提供します。また、地元の不動産会社は、地域社会との信頼関係を大切にしており、不正行為や囲い込みを避ける傾向があります。これにより、顧客は安心して取引を進めることができます。

地域の情報に精通している

地元の不動産会社は、不動産の情報はもちろん、その不動産の周辺環境やその地域の生活しやすさなどの地元の情報にも精通しています。これにより、顧客に対して詳細なアドバイスを提供することができます。例えば、地域の学校の評判や交通の利便性、近隣の商業施設や医療機関の情報など、生活に直結する情報を提供することができます。
地元の不動産会社は、地域住民との交流を通じて、最新の地域情報を常に把握しています。これにより、顧客は物件の購入後の生活についても安心して計画を立てることができます。

価格交渉に強い可能性がある

地場の不動産会社は、大手のように大きな組織で成り立っているわけではないので、柔軟な対応をしてもらえる可能性が高く、融通が利きやすい傾向があります。地元に密着しているため、売却物件のオーナーと特別な信頼関係が築けているケースなども多く、売り主が交渉に応じてくれる可能性も高くなります。例えば、地元の不動産会社は、地域の地主や長年の取引先との関係を活かして、価格交渉を有利に進めることができます。これにより、顧客にとっても有利な条件で物件を購入することができます。

参考：https://toushi.homes.co.jp/column/lifull-homes-investment/beginner081/

融通が利きやすい

地元の不動産会社は、大手のような厳格な規定やルールが少ないため、顧客のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。例えば、物件の価格交渉や契約条件の調整など、顧客の要望に応じた対応を迅速に行うことができます。これにより、顧客は自分の希望に合った物件をスムーズに購入することができます。また、地元の不動産会社は、小規模な組織であるため、トップと直接話し合う機会が多く、迅速な意思決定が可能です。これにより、顧客の要望に対して迅速に対応することができ、取引がスムーズに進行します。

デメリット

営業エリア外の情報を持っていない

地元の不動産会社は、その地域に特化しているため、他の地域の情報を持っていないことが多いです。これにより、転勤や引っ越しなどで他の地域への移動が必要な場合に対応が難しくなることがあります。例えば、地元の不動産会社は、その地域の物件情報には詳しいものの、他の地域の物件情報にはアクセスできないため、広範囲にわたる物件比較が難しいことがあります。また、地元の不動産会社は、その地域の特性に特化したサービスを提供するため、他の地域のニーズに対応することが難しい場合があります。これにより、顧客が他の地域への移動を計画している場合には、サポートが不足することがあります。

サービス業としての接客ができない業者もある

地元の不動産会社は、小規模な個人経営が多いため、サービス業としての接客が十分でない場合があります。大手不動産会社のように、従業員教育や接客マニュアルが整備されていないことが多く、顧客対応が不十分な場合があります。例えば、地元の不動産会社は、従業員数が少ないため、一人一人の担当者が多くの業務を担当しており、十分な接客ができないことがあります。

悪徳業者も存在する

地元の不動産会社の中には、悪徳業者も存在することがあります。特に、小規模な個人経営の不動産会社は、意識が低い場合があり不正行為や詐欺行為が行われることがあります。これにより、顧客が被害を受けるリスクがあります。これを避けるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。信頼できる不動産会社を選ぶためには、最低限、宅地建物取引業免許番号を確認することが重要です。この番号は、不動産会社が正式に営業するために必要な許可証であり、信頼性の一つの指標となります。

参考

https://ozplanning.co.jp/point/chigai/

https://toushi.homes.co.jp/column/lifull-homes-investment/beginner081/

https://president.jp/articles/-/13137?page=1

まとめ

今回は、大手不動産会社と地元不動産会社のどちらを選ぶべきか、それぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。不動産を購入する際には、大手不動産会社と地元不動産会社のどちらを選ぶかが重要な決定要素となります。大手不動産会社は、物件の選択肢が豊富であり、全国的なネットワークを持ち、ブランド力と信頼性があります。しかし、融通が利きにくく、営業担当者がノルマを優先する傾向があるため、顧客のニーズに完全に応えられないことがあります。
一方、地元の不動産会社は、地域に密着した情報を持ち、柔軟な対応が可能であり、掘り出し物件を見つける可能性があります。しかし、営業エリア外の情報を持っていないことが多く、サービス業としての接客が十分でない場合があります。また、悪徳業者が存在するリスクもあります。
したがって、不動産を購入する際には、両者のメリットとデメリットを十分に理解し、自分のニーズに最も合った不動産会社を選ぶことが重要です。大手不動産会社と地元不動産会社のどちらが最適かは、個々の状況や希望によります。最終的には、信頼できる不動産会社と連携し、十分な情報をもとに慎重に判断することが求められます。