結論
低層階は何かと便利です。高層階の唯一のメリットはほぼ眺望だけであり、しかも眺望はすぐに飽きます。そのため、タワーマンションを選ぶ際には、低層階の利点を重視し、快適で便利な生活を送ることを考えることが重要であるといえるでしょう。
そもそも低層階とは
タワーマンションの低層階に関して、具体的な定義はありません。どこまでが低層階かは、建物によって異なります。低層階と呼べる階数の明確な区分がない場合もありますし、エレベーターが低層階と高層階用に分かれており、その階数が目安となる場合もあります。
一般的に言えば、10階建て程度のマンションでは1~3階、15階建て程度のマンションでは1~5階が低層階とされます。タワーマンションの場合、20階建てなら1~7階程度が低層階とされ、40階以上の場合は14~15階の住戸も低層階に含まれることがあります。
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_knowhow/tower_apartment_lower_floors/
低層階には数多くのメリットがある
低層階のメリットをいくつかご紹介します。
同じ広さなら高層階と比較すると圧倒的に安い
低層階に住む場合、同じ広さの住戸で比較すると、高層階に比べて家賃や物件価格が圧倒的に安くなることがあります。低層階は景色やプライバシーがやや劣るかもしれませんが、その分家賃や物件価格が抑えられる傾向があります。そのため、予算を抑えたい方やコストパフォーマンスを重視する方にとって、低層階の選択肢は魅力的なものと言えるでしょう。
高層階と低層階で得られる利便性はほぼ変わらない
低層階のメリットとして、高層階と低層階で得られる利便性がほぼ変わらない点が挙げられます。高層階に比べて低層階の方がエレベーターや階段の利用が容易であり、同様の利便性を得られます。低層階でも高層階と同じように便利に生活することができます。
共有スペース
マンションでは、住人が利用できる共有スペースが設けられていることが一般的です。これには、フィットネスジムやプールなどが含まれます。低層階に住む場合、エレベーターを使わずに共有スペースにアクセスすることができるため、利用頻度が高く、より手軽に施設を楽しむことができます。特に、フィットネスジムやプールなどの施設をよく利用する方にとっては、低層階の利便性は大きな魅力となります。
エントランスやフロントマンの常駐
低層階に位置する住戸は、通常、建物のエントランスやフロントデスクに近い場所に配置されています。このため、低層階に住む住人は、建物の入り口やフロントデスクに常駐しているスタッフにより、素早くサポートや案内を受けることができます。例えば、荷物の受け取りや荷物の預かり、来客の案内、緊急時の対応など、様々な場面でフロントマンの存在が便利です。また、セキュリティ面でも低層階に住む住人は、エントランス付近に常駐しているスタッフにより、より安心して暮らすことができます。
土地の持つ利便性は同じ
低層階に住んでいる場合でも、建物の周囲には同様の便利な施設や交通機関が整備されています。例えば、低層階に住む住人も同様に近くにスーパーマーケットやコンビニ、公園、学校、医療施設などがあり、生活に必要な施設へのアクセスは便利です。さらに、公共交通機関や主要な道路へのアクセスも同様であり、低層階に住む住人も同様に便利な交通ネットワークを利用することができます。そのため、低層階の住戸でも利便性は変わらず、快適な生活を送ることができます。
セキュリティ
低層階に住む場合、建物のエントランスや共有スペースに近い位置に住戸が配置されることが一般的です。そのため、建物の出入り口や共有スペースに常駐している警備員やフロントスタッフから直接見守られることになります。また、低層階に住む住人は、外部からの不審者や侵入者に対してより早く気付くことができるでしょう。これにより、低層階の住人はより安全で安心した生活を送ることができます。さらに、緊急時には地上階に近い位置に住んでいるため、避難や救助が容易に行えるという利点もあります。このように、低層階に住むことでセキュリティ面での安心感が得られると言えます。
耐震性や防音性
低層階に位置すると地上に近い位置にあるため、地震の際に建物が揺れる影響を比較的受けにくい傾向があります。高層階に比べて、低層階は建物の基盤に近いため、地震の揺れが緩やかであり、安定感があります。また、低層階のもう一つの利点は、防音性の向上です。低層階に住む場合、上階や隣の住戸からの騒音が比較的少ない傾向があります。高層階に比べて、階段やエレベーターの動作音、または上階からの生活音や足音などが低減されるため、より静かで快適な環境で生活することができます。これにより、低層階に住む住人は、よりリラックスした生活を送ることができます。
高層階にラウンジなどの共用施設があるケースも
高層階に位置するタワーマンションでは、一般的には高層階にラウンジなどの共用施設が設けられていますが、これらの施設は低層階に住む住人でも利用することができる場合があります。低層階に住む住人が高層階の共用施設を利用する場合、エレベーターや階段を利用してアクセスすることになりますが、一般的には利用に制限はありません。このように、低層階に住む住人でも、高層階のラウンジやプール、ジム、ランチやお酒を楽しめるオールデイラウンジやライブラリー、シアタールーム、広い大空や夜景が楽しめるスカイテラスなどの共用施設を利用することができ、より豊かな生活を送ることができます。
https://www.toshi-estate.com/towermansionblog/2020/%E5%85%B1%E7%94%A8%E6%96%BD%E8%A8%AD/
エレベーターに乗っている時間が短くて済む
低層階に住む場合、建物内の共用エレベーターを利用する際、高層階に比べて階数が少ないため、目的地に到着するまでの所要時間が短くなります。一方、高層階に移動する場合、途中で他の階に停まる必要があるため、エレベーターに乗っている時間が長くなる傾向があります。特に、マンション等の共同住宅では、夕方に主婦や小児の出入り、通勤・通学者の帰宅によって、エレベーター利用のピークが生じます。このため、低層階に住む住人は、日常的な移動や外出時にエレベーター待ちの時間を節約することができます。これにより、より効率的で快適な生活を送ることができます。
https://www.alianet.org/amenitycafe/elevator_apartment/choice/
1階には専用庭がある物件も
低層階に位置する住戸には専用の庭やテラスが付属しており、屋内と屋外の空間を自由に行き来することができる物件もあります。この専用庭は、植栽やガーデニング、バーベキューなどのアウトドアアクティビティを楽しむためのスペースとして利用されます。低層階に住む住人は、専用庭を通じて自然に触れ合い、リラックスした時間を過ごすことができます。
1階であれば階下に騒音の配慮しないで済む
1階に住む場合、階下に騒音の配慮をしなくても済むという利点があります。通常、低層階の住戸は地上階に位置し、階下に他の住戸がないため、隣人に騒音を気にする必要がありません。これにより、低層階に住む住人は、自由に生活音や音楽を楽しむことができます。また、子供やペットを飼育する場合も、隣人への配慮を気にすることなく、より自由に過ごすことができます。
固定資産税が割安になる
低層階に位置する住戸は、一般的に高層階に比べて評価額が低く抑えられる傾向があります。これは、不動産の評価において、景色や眺望などの要素が重視されることが一因です。高層階に位置する住戸は、都市のパノラマや眺望を楽しむことができるため、その分評価額が高くなります。一方、低層階に位置する住戸は、周囲の景色や眺望が制限される場合が多く、評価額が低くなる傾向があります。
このような評価額の違いにより、固定資産税も異なる水準で設定されることがあります。低層階に位置する住戸は、評価額が低いため、それに応じて固定資産税も割安な水準で設定されることがあります。したがって、低層階に住む住人は、同じ広さや設備の住戸であっても、固定資産税の負担が軽減される傾向があります。固定資産税は毎年の支払いが必要なため、低層階に住むことで生活費を削減し、経済的なメリットを享受することができます。また、長期的に見ても、固定資産税の割安さは低層階の選択を支持する要因の一つとなるでしょう。
https://sumai-kyokasho.net/tower-mansion-low-floor/
停電でエレベーターが止まっても階段で移動が楽
停電などの緊急時には、エレベーターが停止してしまうことがあります。しかし、低層階に住む住人は、階段を利用して移動することができるため、エレベーターの停止による影響を比較的軽減することができます。階段を利用することで、緊急時にも迅速に建物内外を移動することが可能です。また、停電が復旧したとしても、多くの住人がエレベーターを利用しようとするため、各階に到達するまでにかなりの時間がかかることがあります。しかし、階段を利用する低層階の住人は、エレベーター待ちの時間を省略し、より迅速に建物を出入りすることができます。
さらに、災害が起こった際には、エレベーターが停止してしまう可能性があるため、食料や備品などの備蓄物を運搬する際には、階段を利用することが求められる場合があります。低層階に住む住人は、階段を利用して備蓄物を運ぶことができるため、災害時の備えをより効果的に行うことができます。また、震度3程度でもエレベーターは止まることがあります。それらを踏まえることも重要になるでしょう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230511/k10014063761000.html
https://earthquake.tenki.jp/bousai/earthquake/detail/2023/05/11/2023-05-11-04-16-47.html
高層階と比較して地震のとき揺れにくい
低層階は、高層階に比べて地震の際に揺れにくいという利点があります。地震が発生した際、建物は地震の揺れによって振動しますが、低層階に位置する住戸は地上に近いため、地震の影響を受けにくい傾向があります。一般的に、建物の上層階ほど揺れを受けやすくなりますが、低層階に住む住人は、揺れの影響が比較的緩やかであると言えます。そのため、低層階に位置する住戸は、地震時にも安全性が高いと言えるでしょう。
タワーマンションの低層階を選ぶ際の注意点
タワーマンションの低層階を選ぶ際の注意点を4つご紹介します。
周りから部屋の中が見えないか
低層階に位置する住戸は、通行人や隣近所の目線が直接届く可能性が高いため、プライバシーを保つためには、建物の周囲の状況を確認することが重要です。隣接する建物や道路からの視線が部屋に入り込まないかをチェックし、プライバシーを守るための対策を検討することが重要です。一方で、これらを気にしない方は問題ないでしょう。低層階に位置する住戸の利点や魅力を重視し、周囲からの視線を気にすることなく、快適な生活を送ることができます。
騒音が気にならないか
通行人や車の騒音、または隣接する建物からの音など、外部からの騒音が直接届きやすい傾向があります。そのため、静かな環境を求める方は、周囲の騒音レベルを確認し、騒音が気にならないかどうかを注意深く検討する必要があります。しかし、騒音が気にならないと考える方や、都市の賑やかさを楽しむ方は、この点を気にする必要がありません。
人の目を気にするか
通行人や隣近所の目線が直接届く可能性が高いため、部屋の中が外部から見えることが懸念されます。このため、プライバシーを重視する方は、周囲の建物や道路からの視線が部屋に入り込まないかを注意深くチェックする必要があります。一方で、人の目を気にする必要がないと考える方もいます。外部の景色や都市の活気を楽しみながら生活することを好む方や、逆に人通りの多さがセキュリティ面で安心感を与える方もいます。そのため、自身の価値観や生活スタイルに合わせて、人の目を気にするかどうかを検討することが重要です。
住んでいる場所は社会的ステータスだと思う人はやめておいたほうが無難
高層階に住むことは贅沢や成功の象徴と見なされることがあります。そのため、低層階に住むことが、自身の社会的地位や身元に関する印象を下げると考える方は低層階は避けた方がよいといえるでしょう。一方で、住んでいる場所が社会的ステータスを示すものではなく、快適さや便利さ、安全性など、自身や家族の生活にとって重要な要素を重視する方にはおすすめといえるでしょう。
まとめ
今回は、実はタワーマンションは低層階がお得ということをご紹介しました。低層階について理解したうえで、数を多くのメリットを挙げました。そのうえで、タワーマンションの低層階を選ぶ際の注意点もご紹介しました。これらをもとに自分が低層階に住むことに向いているのかどうか検討してみましょう。