不動産を売却するなら5年以内か5年を超えるかで税金は大きく変わる!
2019/09/25
不動産基礎知識不動産売却のコツ売りたい
一戸建てやマンションなど、土地や建物といった不動産を売却した際に利益がでた場合、その譲渡所得に対しては税金が課税されます。ただ、不動産を所有してから5年以内に売却するのか、それとも5年を超えてからなのかによって、発生する税金が異なるため注意しましょう。
不動産売却により発生する譲渡所得
不動産を売却することで発生した譲渡所得に対しては、所得税および住民税、復興特別所得税が課税されます。
譲渡所得は、
譲渡価額(売却金額)-取得費-譲渡費用=譲渡所得
で、計算した金額です。
取得費は売却した不動産を購入した時の金額で、物件の購入価格、仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、購入後の設備や改良費などです。なお、建物の購入価格については、経年により減少する価値を示す減価償却分は含まれません。
譲渡費用とは売却にかかった費用のことで、広告費、仲介手数料、登記費用(抵当権抹消など)測量費なといった費用が含まれます。
譲渡所得に適用される税率の判断
5年という年数が関係するのは、この譲渡所得に対して適用される税率が不動産の所有期間によって決まるという部分です。
勤務先から受け取る給与など、給与所得に対する所得税は受け取る金額が高くなればなるほど、適用される税率も上がります。
ただ、不動産の譲渡所得の場合、給料のように毎年発生するものではなく、売却した年のみ急激に高くなることが多いので、給与所得のような累進課税による税率の適用方法は採用されておらず、不動産を所有していた期間によって判断することになっています。
短期と長期のどちらかにより税金は大きく違う
まず、不動産を取得して売却するまでの期間が5年以内なら短期譲渡所得、5年を超えるなら長期譲渡所得という2つの区分に分けます。
売却した日までで5年という判断ではなく、売却した年の1月1日時点で5年以内か5年を超えているか判断するようにしてください。
また、相続や贈与により不動産を引き継いだ場合、前の所有者から譲渡されたタイミングではなく、前の所有者が取得した日から数えて5年以内か5年を超えているか判断します。
それぞれの税率は、
短期譲渡所得 所得税30% 住民税9%
長期譲渡所得 所得税15% 住民税5%
で、所有期間に関係なく、所得税に対し2.1%の復興特別所得税も発生します。
もし短期で不動産を売却することになったら…
このように短期譲渡所得か長期譲渡所得かによって、適用される税率は大きく異なるため、支払う税金も変わってきます。
短期譲渡所得の税率が高めに設定されているのは、短期間による土地の値上がり益を得ようとする土地ころがしといわれるような投機的な取引を抑制させることを目的としているようです。
ただ、投機的な理由でなくても不動産を短期で売却することもあるかもしれませんので、高い税金を支払わなくてもよいように5年という目安に注意しておくようにしてください。