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リフォーム費用0円で入居が決まる?「現状貸し(DIY可物件)」が注目される理由 - 株式会社ネクスト・リアルプラン

賃貸経営において、多くのオーナーが無意識に抱えていることがあります。それは「貸す前に、オーナーがきれいにリフォームしてから募集をかける」という常識です。確かに、内見した瞬間に生活イメージが湧く部屋は強いですし、クロスが新品で水回りもピカピカなら、入居者が決断しやすいのは事実です。ところが、これが築古物件のオーナーにとっては非常に高いハードルになりやすいのも、また事実です。

築年数が経った戸建てやアパートでは、クロス張替え、床の補修、キッチン・浴室・トイレの交換、給湯器やエアコンの修理・入替えなど、直そうと思えば際限なく費用が膨らんでいきます。最初は「最低限だけでいい」と考えていても、解体して初めて腐食や配管の劣化が見つかったり、下地の傷みが想定以上だったりして、追加工事が必要になるケースも少なくありません。結果として、数十万円のつもりが数百万円に、数百万円のつもりが一千万円近くに、という話も珍しくありません。
そうなると、オーナー側の心理は自然にこう動きます。「この費用をかけても本当に入居が決まるのか分からない」「家賃で回収できるまで何年かかるのか」「今はそんな資金が用意できない」。そして最終的に「いったん保留にしよう」となり、空室のまま時間が過ぎてしまいます。

ここで知っておきたいのが、賃貸市場の価値観が変わってきているという点です。もちろん「新しくてきれい」な物件が強いのは今も変わりません。ただ一方で、「完璧に仕上げられた部屋」よりも「自分で作れる部屋」を選ぶ層が確実に増えています。DIYやセルフリノベの情報が身近になり、住まいを“借りるもの”から“育てるもの”として捉える人が増えているからです。

そこで注目されているのが、オーナーが大きな費用をかけず、現状のまま貸し出しつつ、入居者に一定のDIY(改装)を許可する「現状貸し(DIY可物件)」という考え方です。この記事では、オーナーの費用負担を減らしながら、入居者にとっても魅力的な住まいを提供できる新しい賃貸のカタチとして、DIY型賃貸の仕組み、人気の背景、オーナーのメリット、そして何より重要な契約・ルール設計までを、実務目線で丁寧に解説します。

1. 「現状貸し(DIY可物件)」とは何か?

現状貸しとは、壁紙が剥がれている、床が古い、設備が年季が入っているといった状態を、オーナー側が全面的に修繕せず、そのまま貸し出す方法です。ここで誤解してはいけないのは、現状貸しが「安全性を無視して貸す」「最低限の整備もしない」という意味ではないことです。現状貸しはあくまで、見た目を新品同様に整えるためのリフォームを必須にしないだけであり、生活上危険な箇所や重大な不具合がある状態を放置して貸すことを推奨するものではありません。

そして、現状貸しが“DIY可物件”として成立するためのセット条件が重要です。つまり、現状のまま貸す代わりに、入居者に「自分好みに改装(DIY)してOK」「合意した範囲については退去時に元に戻さなくてOK」という自由を与える契約形態として設計します。入居者が壁を塗ったり、棚を作ったり、床材を上貼りしたりして、住みやすい空間へ変えていけることが、現状貸しの価値そのものになります。

従来の一般的な賃貸は、オーナーが修繕義務を広く負い、入居者は原状回復義務を負う、という関係で成り立ってきました。つまり「壊れたらオーナーが直す」「勝手に変えたら退去時に元に戻す」が基本です。これに対してDIY型賃貸は、オーナーと入居者が“責任範囲”と“自由範囲”を明確に取り決めたうえで、入居者に改装の裁量を渡す設計になります。

この違いをイメージで捉えると分かりやすいです。従来賃貸は「完成品の部屋を貸す」発想です。DIY型賃貸は「素材としての部屋を貸し、入居者が完成度を高める」発想です。つまり、自由を成立させるために契約とルールが必要になるのです。

2. なぜ今、「現状貸し」が人気なのか?入居者の心理

現状貸しが注目される背景には、入居者側の価値観の変化があります。少し前までは「築年数が古い=不人気」「設備が古い=避けられる」という単純な構図が強く、オーナーはきれいにして貸す以外の道を描きにくい状況でした。しかし今は、部屋探しの基準が多様化し、新しさだけが絶対ではなくなってきています。特に、若い世代やクリエイター層、フリーランス層、趣味にこだわる層では、既製品のきれいな部屋よりも自分好みにカスタマイズできる部屋を選ぶ人が増えています。

入居者にとっての直接的なメリットのひとつは、家賃が相場より少し安い可能性があることです。オーナーがリフォーム費用をかけない分、同エリア・同面積の新品同様の物件より家賃を抑えられるケースがあります。もちろん、安ければいいという単純な話ではありませんが、「自分で手を入れることを前提に、初期費用を抑えたい」と考える層にとっては魅力になります。

もうひとつの大きなメリットが、原状回復のプレッシャーが小さくなることです。一般賃貸では、壁に穴を開けることすら躊躇する入居者が多いのは当然です。退去時に原状回復費を請求されるリスクがあるからです。しかしDIY型賃貸では、契約で定めた範囲の改装を認め、場合によっては「退去時に元に戻さなくてよい(原状回復義務の免除)」という扱いにします。これにより入居者は「棚を付けたい」「壁を好きな色にしたい」「作業机を固定したい」といった希望を実現しやすくなります。

さらに心理面でも、DIY型賃貸は強い魅力を持ちます。自分で手を入れた住まいには愛着が生まれます。その結果、入居者が長く住み続ける傾向につながりやすく、オーナー側の空室リスクの低減にもつながります。

3. オーナーにとっての3つの大きなメリット

この手法がオーナーにとってどう有益かを具体的に解説します。

① 初期投資(リフォーム費用)がかからない

クロスの汚れや剥がれを直し、床の傷みを補修し、水回りの古さを入れ替える。これらは入居者が生活するうえでの快適性に直結するため、募集上も無視しづらい部分です。ところが、これを全面的にやろうとすると数百万円単位の投資になり、オーナーの資金繰りに大きな負担をかけます。

さらに、資金不足で貸せなかった物件を収益化できる点は、オーナーの選択肢を増やします。家賃収入を積み上げながら、将来的に修繕や設備更新を行う資金の原資にすることも可能になります。「先に大きく投資して回収する」ではなく、「まずは回しながら改善していく」という発想へ転換できることが、現状貸しの強さです。

② 入居期間が長くなりやすい

DIY型賃貸は、入居者が自分で手を入れることを前提とするため、住まいに愛着が生まれやすい傾向があります。壁を塗り、棚を作り、工夫を重ねた部屋は、入居者にとって“ただの借り物”ではなくなります。「せっかくここまで作ったのに引っ越すのはもったいない」と感じる心理が働きやすく、結果として長期入居につながる可能性が高まります。

もちろん、すべての入居者が長く住むとは限りません。しかし、一般賃貸と比べて「住み替えのハードル」が上がりやすいという点は、経営上のメリットになります。空室リスクが下がり、入退去ごとの費用を抑えられる可能性があるからです。特に、築古物件では入れ替えのたびに修繕箇所が増えていくこともあるため、長期入居は物件の痛みを抑える意味でも重要になります。

③ 物件の価値が上がる可能性がある

DIYが得意な入居者は、低コストで空間の印象を大きく変えることがあります。そして、契約次第では、退去後にその改装状態を残したまま次の入居者へ引き継ぐこともできます。つまり、オーナーが大きな費用を払わずに、物件の見た目や使い勝手が改善され、募集上の競争力が上がる可能性があるのです。

うまく運用できれば「築古=価値が下がる」だけではなく、「築古=自由度が高いから価値が上がる」という逆転が起こり得るのが、DIY型賃貸の魅力です。

4. トラブルを防ぐために!注意すべきポイントと契約

現状貸し(DIY可物件)は、自由度が高い分だけ、トラブルを防ぐ設計が欠かせません。ここを曖昧にしたまま始めると、「どこまでが自由か」「壊れたとき誰が負担するのか」「退去時はどうするのか」という争点が必ず発生します。DIY型賃貸で成功している物件ほど、最初の契約設計が丁寧です。

まず、何でも自由にさせて良いわけではありません。建物の構造に関わる部分、例えば柱や梁、耐力壁などは原則として改変不可にする必要があります。誤った改装は耐震性や安全性に影響し、最悪の場合は事故につながります。また、電気・ガス・給排水などの設備工事は専門資格が必要な領域であり、入居者のDIYで触らせるべき範囲ではありません。少なくとも「電気・ガス工事は有資格者(専門業者)に依頼すること」「勝手に配線や配管をいじらないこと」といったルールは明確にし、違反時の取り扱いも含めて定めておく必要があります。

次に重要なのが、費用負担の境界線です。雨漏りや主要設備器などの故障といった建物としての基本機能に関わる部分はオーナー負担とし、内装や建具の改装は入居者負担とするなど、線引きを契約書で明確にします。ここが曖昧だと、「この故障はオーナーが直すべき」「いやDIYしたから入居者が負担すべき」と揉める原因になります。特に築古物件は、経年劣化とDIYの影響が絡みやすいため、条文として整理しておくことが欠かせません。

DIY型賃貸は、一般的な賃貸借契約書をそのまま使うのではなく、DIYを前提とした特約が必要になります。国土交通省はDIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックを公表しており、DIY型賃貸のルール作りや契約上の考え方を整理しています。DIY型賃貸を安全に運用するためには、こうしたガイドライン等に基づき、物件の状況に合わせて契約内容を調整することが重要です。

5. ネクスト・リアルプランなら「現状貸し」の契約サポートも万全

現状貸し(DIY可物件)は、うまく使えば築古物件の出口を作れる強力な選択肢です。しかし、魅力的である一方で、契約と運用が複雑になりがちで、素人判断での契約は危険です。特に「どこまでDIYを許可するか」「費用負担はどこで線を引くか」「退去時の取り扱いをどうするか」という論点は、物件ごとの事情によって最適解が変わります。築年数や劣化状況、設備の状態、地域の賃貸需要、入居者層の想定によって、許可すべき範囲もルール設計も変わるからです。

ネクスト・リアルプランでは、建物の状態チェックから、トラブルを防ぐための契約書の作成、入居者募集までサポートできます。
「この家は現状貸しに向いているか?」という無料相談から受け付けています。築古物件を貸せないと決めつける前に、現状貸しという選択肢で出口が作れるかどうかご相談いただくことをおすすめします。

6. まとめ

リフォーム費用が捻出できないから貸せない、家賃を下げても決まらない、築古だからどうにもならない。こうした悩みは、築古物件のオーナーにとって非常に現実的で、そして深刻です。けれども、賃貸の世界では価値観が多様化し、「古い=不利」という一方向の常識だけでは語れなくなっています。

現状貸しは、オーナーが大きなリフォーム費用をかけずに募集でき、入居者側には自由に作れる住まいという価値を提供できる方法です。入居者ニーズが存在するからこそ成立し、うまく運用できれば長期入居につながり、結果として空室リスクや入退去コストを抑えられる可能性があります。さらに、入居者のDIYによって物件の魅力が上がり、次の募集にも好影響が出るケースもあります。

ただし、現状貸しは「自由にしていい」という話ではありません。構造や設備など触れてはいけない領域を明確にし、費用負担の線引きを契約書で整理し、退去時の取り扱いを合意しておくことが、トラブルを避ける最重要ポイントです。

古くて貸せないと諦めていた物件こそ、見方を変えれば宝の山になる可能性があります。空室のまま放置して税金だけ払い続ける状態から脱却するために、そして余計な投資で失敗しないために、まずは「現状貸しができる物件かどうか」を専門家と一緒に確認してみてください。放置して税金だけ払う状態から脱却するために、ネクスト・リアルプランにまずは一度相談してみるのはいかがでしょうか。

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