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​耐震・制震・免震の違いとは - 株式会社ネクスト・リアルプラン

地震は私たちの生活に大きな影響を与える自然災害の一つです。このような地震の影響を最小限に抑え、私たちの生活環境を守るためには、建物の地震対策が欠かせません。最新の建築技術や知見を取り入れた新耐震基準に基づく建物は、地震発生時においても安全性を確保することが期待されています。そのため、建物の地震対策は極めて重要であり、近年では新耐震基準に基づいて設計された建物が当たり前になりつつあります。建物の地震対策には、耐震・制震・免震という3つの重要な要素が組み合わさり、これらが一体となって安全性を高める役割を果たしています。それぞれの役割を理解することで、地震に対する守りを築くことができます。今回は、耐震・制震・免震の違いについてご紹介します。

3種類の地震対策

引用:https://bosai.pb-g.net/bosai-post-20/

耐震

耐震とは、建物が地震による揺れに耐える能力のことを指します。建築物や構造物は、地震の揺れに対してしっかりとした基礎や強い材料を使って作られています。これにより、地震の際に建物が倒れにくくなり、私たちが安全に過ごせるようになっています。耐震の考え方は、建物が揺れても崩れないようにすることです。

制震

制振は、地震の揺れを和らげるための技術です。建物に特別な装置や仕組みを取り入れて、揺れを吸収することができます。これによって、建物が大きく揺れることなく、揺れを軽減させることができます。イメージとして、揺れるおもちゃのバネのようなものが建物に組み込まれ、地震のエネルギーを吸収してくれるのです。

免震

免震は、建物が地震の揺れを受けても、中の人や物を守るための仕組みです。建物の下に特別な免震装置を設置し、地震が起きると建物がそれに合わせて上下や左右に動くようになっています。これにより、建物内部は揺れを感じにくくなり、人々が安心して避難できるようになります。

耐震・制振・免震のそれぞれのメリット・デメリット

それでは、耐震・制振・免震のそれぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

参考:https://www.homelabo.co.jp/select/difference01.html

耐震のメリットは4つ、デメリットは1つあります。
メリットの1つ目は、建物自体の強さで地震エネルギーを吸収することです。耐震設計による建物の強化は、地震の際に発生するエネルギーを吸収し、分散させる役割を果たします。強固な構造や耐震補強材料の導入によって、地震が建物に与える影響を最小限に抑え、住民や利用者の安全性を確保します。これにより、地震時における建物の被害を軽減し、継続的な利用を可能にします。
2つ目は、地盤や立地を選ばないことです。耐震設計を施された建物は、地盤の条件や立地に左右されずに建設できる特長があります。地震の多い地域や地盤が脆弱な場所でも、耐震性の高い建物が構築可能です。これにより、地域全体で安全な建物が整備され、適切な都市計画が進むことが期待されます。
3つ目は、工事が簡単であることです。耐震設計は、建物自体の強さを向上させるために構造や補強材料を工事中に組み込むことが一般的です。このプロセスは他の複雑な設計要素を考慮しながら進められるため、建築プロジェクト全体において工程が簡略化され、効率的な進捗が期待できます。
4つ目は、低価格での工事が可能であることです。耐震設計においては、一般的な建物に比べて低価格な材料や手法が使用されることがあります。これにより、低予算での建築が可能となり、地域全体での耐震性向上がリーズナブルなコストで実現できます。低価格での耐震工事が普及することで、多くの建物が耐震性を向上させられるでしょう。
デメリットとしては、揺れに応じてダメージが残ることです。耐震構造が地震エネルギーを吸収する一方で、過度の揺れにより建物に応力がかかることがあります。この応力が繰り返されると、建物に微細なダメージが残り、長期的には劣化や損傷が生じる可能性があります。定期的な点検や保守作業が必要となり、それに伴う追加のコストと手間が発生する可能性があります。
制震のメリットは5つ、デメリットは2つあります。
メリットの1つ目は、構造が弱くても強さを補強できることです。制振技術は、構造が比較的弱い建物でも、特殊な制振装置の導入によって地震に対する強さを補強できるという大きなメリットがあります。これにより、既存の建物でも比較的容易に地震対策が可能となります。
2つ目は、揺れを吸収することです。制振装置は、地震発生時に発生する揺れを吸収し、建物全体の揺れを和らげる役割を果たします。これにより、建物内の構造や設備にかかる負担が軽減され、被害を最小限に食い止める効果が期待されます。
3つ目は、安心感が伝わりやすいことです。制振技術の導入により、住民や利用者に対して安心感が伝わりやすくなります。地震が発生した際にも建物が比較的安定しているため、精神的な安定感が提供され、防災意識が向上します。
4つ目は、メンテナンスによる価格負担を軽減することです。制振装置のメンテナンスは、一般的な建物に比べて比較的容易で、それに伴う価格負担も軽減されます。これにより、建物の安全性を保つためのコストを抑えながら、長期的な利用が可能です。
5つ目は、耐震住宅に条件を選ばず導入可能することです。制振技術は、特定の条件に左右されず、多様な建物に適用可能です。耐震住宅においても、地盤の状態や立地条件に比較的制約を受けずに導入できるため、広範な地域での適用が可能です。
デメリットの1つ目は、間取りに制限が生まれることがあることです。制振装置の導入には、建物の構造や配置に一定の制約が生じることがあります。これにより、建物の間取りや設計に一部の制限が生まれる可能性があります。これは、建物の用途やデザインに柔軟性を損なう可能性があります。
2つ目としては耐震と比べてややコストが高いことです。制振技術は高度な技術や特殊な装置を必要とするため、耐震設計に比べてややコストが高い傾向があります。これは、導入に際して一定の投資が必要であることを示唆しています。
免震のメリットは3つ、デメリットは3つあります。
メリットの1つ目は、地震時の衝撃を大幅に軽減、極力建物に伝えないことです。免震構造は、地震時に発生する揺れを大幅に軽減し、建物に極力伝えないようにします。特殊な免震装置が地震のエネルギーを吸収・分散し、建物全体にかかる負荷を抑制します。これにより、住民や利用者は揺れを感じにくく、地震に対する安全性が向上します。
2つ目は、家具などの内装ダメージを軽減することです。免震構造は建物全体が揺れることを防ぐだけでなく、内部の家具や装備品に対するダメージも軽減します。地震時に発生する振動が大幅に低減されるため、家具などの動きも制御され、被害が最小限にとどまります。
3つ目は、安心感が伝わりやすいことです。免震構造の導入により、住民や利用者に対して安心感が伝わりやすくなります。地震時でも建物が安定しているため、精神的な安定感が提供され、防災への意識が高まります。これが地域全体での安全な建築の推進につながります。
デメリットの1つ目は、台風などの強風で揺れることもあることです。免震構造は主に地震に対する設計がなされていますが、強風による揺れにはあまり対応していません。特に大型の台風や風速の増加が予想される地域では、免震構造による揺れが起きる可能性があります。
2つ目は、軟弱地盤では被害が大きくなることもあることです。免震構造は地盤によってその効果が左右されます。軟弱な地盤では、免震構造が期待するほどの効果が得られず、被害が大きくなることがあります。地盤の状態によっては、免震構造の導入に制約が生じる可能性があります。
3つ目は、設置にも維持にも大きなコスト、建物の周囲にゆとりが必要なことです。免震構造の導入には高度な技術や特殊な装置が必要であり、これに伴うコストがかかります。また、免震装置や機構の維持管理も必要であり、これが追加の経費と手間を引き起こします。さらに、建物の周囲には揺れを吸収するスペースが必要となるため、敷地条件に余裕が必要です。

耐震住宅の詳細

昔の耐震構造

現存する地震の間として、彦根城地震の間(1677年)があります。壁筋かいはありませんが、構造は念入りで、基礎部分にも工夫がある様です。
西洋で最も知られた大地震は1755年リスボン地震です。その時用いられたポンバル式建築は、木骨立体骨組を壁体内部に持つ耐震構造で、今でもその街並みが残っています。当時、模型骨組をつくり、周りを軍隊が行進して耐震実験をしたそうです。

トランク構造

海域に入り天候が悪化、嵐が襲いかかりすさまじい船の揺れを体験した際にアメリカから持ち帰った大型トランクだけが、その揺れにも耐えてつぶれなかったのだ。注意深くトランクを眺めてみると、中蓋が1枚の間仕切りの壁となって支えていることが分かったのです。そこで、理屈を建物の構造に落とし込んだのがトランク構造になります。壁のない骨組みだけの場合は、地震が来ればたちまち変形してつぶれてしまう。しかし、これに壁を入れた場合はエネルギーが均衡することにより変形しにくくなる。
そして、構造設計を依頼されていた建物にこの耐震壁理論を持ち込んだのです。まず歌舞伎座では、舞台と客席を大きな箱に見立て、四方の壁を耐震壁、屋根をそのふたと考え、日本興業銀行本店では金庫や便所、エレベーターなどの壁を耐震壁として構造設計を行ったのです。

鉄筋コンクリート耐震壁

1963年に31mの高さ制限が撤廃されて容積地域制になり、1964年に日本建築学会から「高層建築技術指針」が出されます。そして、1968年に霞ヶ関ビル(36階、147m)が完成しました。わが国で初めての圧延H形鋼を用い、鉄筋コンクリートスリット耐震壁を併用しました。また、ディジタル計算機の急速な発達により、高層建物の詳細な弾塑性応答解析による耐震性能の検証が可能になります。

制震住宅の詳細

制震の歴史

両建築物とも、地震の揺れに対して柔軟に対応することが重要視されています。柔軟性があることで地震のエネルギーを吸収し、建物が揺れに対して柔軟に変形することで損傷を最小限に抑えます。一方で、適切な剛性も備えていることで、建物全体の安定性を確保しています。

現代的な制震機構

鹿島が1986年にコンピュータ制御による「アクティブ制震」のコンセプトを発表し、建物が能動的に揺れを制御する「ダイナミックインテリジェントビル」を提唱しています。それまでの高層ビルは<揺れても壊れない>ことに主眼が置かれていました。鹿島は新しい発想で、揺れない高層ビルの可能性を示唆したのです。1989年、アクティブ制震「AMDシステム」を世界で初めて実用化。建物に吊した錘を駆動する方式で、以後の錘式アクティブ制震の原点となりました。同年、鋼製ダンパを用いたパッシブ制震システム「JDS」を鹿島KIビルに採用し、こちらの分野でも先駆けとなりました。その後も鹿島は可変剛性装置、建物用オイルダンパなど独自の技術を次々と開発、実用化し、つねに世界の制震技術をリードしています。制震適用件数は300近くに達し、国内で20%のシェアを確立して「制震の鹿島」として高い信頼を得ています。鹿島は1990年に創設された制震の国際学会International Association for Structural Controlを中心とした活動に積極的に取り組んでいます。2002年4月にコモ(イタリア)で開かれた国際会議3WCSCでは、鹿島のみその本格的実用化に成功しているセミアクティブ制震が今後の中心技術であるとの認識が示されました。

また、上記の画像は、建物用ダンパーは、あらゆる構造物の地震時の支えとなるデバイスです。一般建築物から重要インフラ施設まで、あらゆる構造物の地震時の大きな衝撃力に対し、構造物全体の減衰性能を高め、震動エネルギーを確実に低減する免・制震デバイスです。建築物の安全性を、効率的かつ飛躍的に高める事が可能となります。

参考:https://t-mec.co.jp/department/construction/seismic-vibration-damper/

参考URL:https://material-r.co.jp/seismic-isolation/isolator-inspection/isolator9/

免震住宅の詳細

免震の歴史

免震構造は1995年の阪神淡路大地震以降、急速に拡大しました。多くはニュージーランドで実用化された積層ゴム免震装置を使用したものでした。その後様々なタイプの免震装置が開発・実用化されます。その結果、2001年4月から免震構造の普及を目的として認定された免震装置(認定免震部材)を使用することにより、一定の条件を満たせば評定や大臣認定を必要とせず、通常の建築確認手続きで免震建物の建設が可能になりました。

免震の機構

アイソレーター

免震にはアイソレーターとダンパーが重要な役割を果たしますが、ダンパーはすでに説明しているので、アイソレーターについて主に説明します。アイソレーターは建物を支え、地震のときに建物をゆっくりと移動させます。種類としては、「積層ゴム」「すべり支承(ししょう)」「転がり支承」などがあります。

まとめ

今回は、耐震・制震・免震の違いについてご紹介しました。 耐震・制震・免震の基本からそれぞれのメリット・デメリットについて理解したうえで、詳細についてご説明しました。どの構造がベストかを選択しましょう。

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