「相続時精算課税制度」とは?
相続時精算課税制度とは、2,500万円までであれば贈与税を納めることなく贈与してもらえる制度で、贈与者が亡くなり相続が発生したときは贈与財産の贈与時の価額と他の相続財産の価額で相続税を計算することになります。
もし相続税の計算で納付の必要性がない場合でも、贈与税をさかのぼって納めなければならないわけではありません。
2,500万円までの財産が対象のため、この金額を超えれば贈与の際に20%の贈与税が課税されますが、後に相続税を計算するとき納めた贈与税分は控除の対象になります。
相続税精算課税制度はどのように手続きすればよいのか
相続時精算課税制度を適用させるのであれば、贈与を受けた年の翌2月1日から3月15日までの贈与税申告期間に、贈与税を申告します。
その際、「贈与税の申告書」「相続時精算課税選択届出書」が必要となり、他にも受贈者の戸籍謄本(または抄本)・戸籍附票の写し、贈与者の住民票の写し(または戸籍の附票の写し)などを添付します。
期限内に手続きを済ませなければ適用されないため、年間110万円まで贈与税が非課税となる暦年課税で贈与税が課税されます。
なお、相続時精算課税制度を選択した場合には暦年課税は適用されなくなるため注意してください。
土地の贈与では追加書類も必要
相続時精算課税制度で土地の贈与を受けるときには、先に述べた添付書類だけでなく「土地の評価明細書」が必要です。
土地の評価明細書とは土地の評価額を計算するときに使いますが、国税庁のホームページから入手可能です。
評価方法は素人では難しいため、税理士など専門家が対応することが多いといえます。
贈与者と受贈者の要件にも注意を
相続時精算課税制度でもう1つ注意しておきたいのは、適用させることが可能となる贈与者と受贈者の要件です。
贈与者は、贈与した年の1月1日時点で60歳以上の父母または祖父母であること、受贈者は贈与された年の1月1日時点で20歳以上の贈与者の直系卑属(子や孫)であることが必要です。(推定相続人であること)