不動産を売却する上で発生する消費税の簡易課税による事業区分
2019/02/27
不動産売却のコツ売りたい
簡易課税制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合にする制度のため、事業区分ごとに適用となる一定割合(みなし仕入率)が決められています。
事業区分は6種類設けられていますが、1つの業種で複数の事業区分に該当することもありますが、特に間違いやすいのが不動産を売却する販売業の事業区分です。
消費税の簡易課税制度とは?
消費税を計算する時には、納税額を
「課税売上等に係る消費税額-課税仕入等に係る消費税額=納税額」
として計算します。
ただし、課税期間の2年前の課税売上高が5,000万円以下である場合、実際の課税仕入等の税額を計算しなくても、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことを可能とする簡易課税制度を適用させることが可能です。
それにより、仕入などで発生する消費税を分類して集計するといった面倒を省くことができ、納税額は課税される金額より低い場合が多いので、規模の小さめな事業者にとってはメリットが高い制度といえるでしょう。
簡易課税制度で決められている事業区分とみなし仕入率
事業区分は6種類設けられており、それぞれにみなし仕入率の規定があります。ただし、1つの業種で事業区分が複数に渡る場合もあるため注意が必要です。
・第1種事業(卸売業)90%
・第2種事業(小売業)80%
・第3種事業(製造業、建設業、農業、電気業、ガス業など)70%
・第4種事業(飲食業など、その他第1~3・5・6種以外の事業)60%
・第5種事業(サービス業、運輸通信業、金融・保険業)50%
・第6種事業(不動産業)40%
不動産業の場合
不動産業は第6種事業となっていますが、不動産業を細かく分ければ不動産販売業、仲介業、管理業、賃貸業など多岐に渡ります。そのため、すべての事業が第6種事業に該当するわけではない点に注意しましょう。
□仲介業や管理業、賃貸業の場合
不動産売買や賃貸について仲介を行う業種や、他者が所有する不動産に対する管理を業種とする場合、不動産賃貸取引などは、第6種事業(不動産業)に区分されます。
□不動産販売業の場合
間違いやすいのが不動産を販売する業種の場合です。
まず、土地は非課税のため、建物に対する売上の事業区分について判定します。
購入した建物をそのまま販売するなら、販売先が事業者であれば第1種事業(卸売業)、販売先が一般消費者なら第2種事業(小売業)に区分されます。
自身が建築した建物を販売する場合、施主となり請負で他の建築業者に施工させ販売する場合、中古建物を購入後リフォームして販売する場合などは第3種事業(建設業)に該当します。
なお、自らが事業用として使っていた賃貸建物などを売却した場合は、第4種事業(その他の事業)に区分されますので、間違わないように注意してください。