
「蕨市老朽空き家等の安全管理に関する条例」が平成25年4月1日に施行されましたが、そもそもこの条例は老朽化した空き家などに対する適切な管理を図ることを目的としています。
防災上や防犯上の理由から、適切な管理が行われず老朽化した空き家については、蕨市が強制的に取り壊すことなどが可能になりました。
それにより、空き家倒壊などで隣家や周辺住民など第三者への被害を未然に防ぐことができ、良好な生活環境を保全し安全で安心できるまちづくりを推進することにつながります。
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蕨市では比較的きれいな状態の空き家が多い?
空き家対策ともいえる条例が策定されたことにより、老朽化した空き家に対する問題はある程度解決されることとなりました。
しかし実際には、空き家条例の対象では比較的キレイな状態の空き家が増えています。
見た目も清掃などが行き届いており、庭の雑草などもしっかり手入れされておいて、ポストに投函されたチラシ類もそれほど多くないという状態です。
しかし雨戸が常時締まった状態で、生活感のない空き家として放置されています。
比較的キレイな状態の空き家の多くは、もともと高齢の夫婦が住んでいた家などで、どちらも亡くなり子が相続したものの、子世帯はすでに家やマンションを別で購入しているため住む予定がないというもののようです。
しかしそか子供時代を過ごした実家を取り壊すのもできず、亡くなった親の家財道具一式も整理されていないままなので、ひとまず放置し定期的に掃除や換気をしている状態というケースが多いといえるでしょう。
空き家を売却や賃貸したほうがよいものの
このような相続したものの住む予定のない空き家は、売却や賃貸として活用することを検討すれば、収益を得られる可能性もあります。
しかし買い手も簡単に見つからないだろうし、空き家を借りたいという相手を探すのも面倒という場合もあるでしょう。
このようなケースの空き家対策としては、全国の自治体が進めている空き家バンクを活用する方法もあります。
蕨市では空き家バンクは必要なし?
空き家バンクでは、自治体の公式サイト上に物件情報を掲載し、売買や賃貸のマッチングサポートをしています。
ただ、基本的には情報のマッチングまでにとどまり、実際の契約仲介まで支援してもらえないことも少なくありません。
全国には様々な自治体が空き家バンクを運営していますが、その多くが過疎地といわれるエリアです。
自治体が売買や賃貸のマッチングの情報提供をするのは、民間の不動産マーケットが比較的小規模なケースのことが多いといえますが、蕨市には空き家バンクの制度はありません。これは不動産マーケットが有効に機能していることをあらわしているといえるでしょう。