空き地と空地は同じ意味?現在日本が抱えている空き地の問題とは
2020/01/28
空き家・空き地
宅地や農地など、何の用途に利用する目的もなくそのままの状態で放置された土地を「空き地」または「空地」といいます。
一般の方が自由に使用できるような状態の土地で、建築物が存在していない広場や公園・緑地・駐車場・マンション内の建物の建っていない敷地・道路などを指す言葉としても使われています。
現在問題視されているのは、住宅地の一角に存在する手入れの行き届いていない更地に雑草が生い茂り、ごみの不法投棄などで臭いや景観を損なうなどのトラブルを引き起こしている空き地です。
相続した土地を活用できず放置されていたり、所有者の高齢化により管理を行うことが難しいなど様々な問題が空き地を増やしています。
空き地の所有者に連絡しても何の対応もされないケース
手入れのされていない空き地が放置されたままになると、夏場には雑草が生い茂ることとなり、害虫の大量発生やごみの不法投棄に火災や犯罪の温床になるなどいろいろな不安を周辺住民に及ぼします。
空き地を何とかしてほしいと所有者に訴えかけたくても、表札が立てられているわけでなく誰の所有か確認しにくい点も問題です。
仮に法務局で登記簿謄本などにより所有者を確認し、記載のある住所に連絡をしても相手から返事がなく改善されないというケースもあります。
古い土地の場合は、前の所有者から新しい所有者に名義を変更する登記が行われておらず、現状の所有者にたどり着けないこともあるのです。
自治体も対策は講じているものの…
空き地トラブルは全国各地で起きているため、自治体などでも独自の条例などを設けながら対策を行っています。
例えば所有者に対し空き地の適正管理を義務付けるなど行っていますが、実際には空き地の所有者に対する連絡や指導までにとどまっている状態です。
ただ、中には行政代執行などで強制的に空き地の雑草を除去するといった対応を可能とした例もあるため、あきらめずに対応を促したほうがよいといえるしょう。
仮に強制的に空き地の雑草除去が行われた場合には、かかった費用は空き地所有者が負担することになります。
強制的に空き地の雑草除去を行うことも後々問題に?
所有者に対し、強制的に空き地の雑草除去費用などを所有者に請求できるのなら、問題が起きているすべての空き地で同じように対応すればよいと思うかもしれません。
しかし最終的に空き地の雑草除去費用を所有者が負担することになっても、先に自治体が負担することになり後日回収という形です。
もし所有者に支払い能力がなければ結局は自治体が負担したままとなってしまいます。自治体が負担するということは税金を使うことになるので、すべての放置された空き地に対し行政が介入していくべきか、と問題視する声もあります。
空き地の管理は所有者の責務ですので、それぞれが認識し管理を促すという地域の努力も必要になるといえるでしょう。