埼玉県(さいたま市・川口市・蕨市・戸田市)東京都(北区・練馬区・板橋区)の不動産売却をお考えの方にリアルな情報をご提供

空き家を一時貸しにする「短期賃貸」という選択肢のメリットと注意点 - 株式会社ネクスト・リアルプラン

売るか貸すか決めきれない空き家こそ「短期賃貸」が刺さります。
「実家を相続したけれど、いまは住む予定がない」「転勤で数年だけ家を空けることになった」「親の施設入居で家が空いたが、将来は戻る可能性もある」など空き家を抱える理由は人それぞれです。
ただ、理由がどうであれ“空き家のまま放置”は、静かに負担を積み上げます。換気や通水がされないことで湿気がこもり、カビや腐食、悪臭、害虫侵入などの劣化が進みやすくなります。通風・通水をしない放置で劣化が進行する点は、国交省の関連資料でも具体的に示されています。さらに固定資産税・都市計画税、火災保険、草木の手入れ、近隣からの苦情など、「住んでいないのに支払いと手間だけが増える」状態になりがちです。
一方で、空き家活用に踏み切れない人が多いのも事実です。
「売却するのは決心がつかない」「普通に貸してしまうと、いざ戻りたい時に返してもらえないのでは?」という不安があるからです。
そこで検討したいのが、期間を区切って貸す“短期賃貸(=一時貸し)”です。多くの場合、法的には定期借家契約(正式には定期建物賃貸借)を使って実現します。定期借家は“期限が来たら終わる仕組み”をきちんと作れるので、空き家を放置せずに収益化しつつ、将来の選択肢も残しやすくなります。
この記事では、短期賃貸の基本、メリット、注意点、そして始め方のステップまで、実務目線で分かりやすく整理します。読み終えたころには「自分の空き家でも短期賃貸が現実的か」「何に気をつければ失敗しないか」が判断でき、次の一歩を踏み出せるはずです。

空き家を「短期賃貸」するとは?普通の賃貸との違い

短期賃貸とは、ざっくり言えば期間を決めて貸す賃貸”です。短期といっても、民泊のような数日単位だけを指すわけではなく、半年・1年・2年・3年といった“中期〜数年”の一時貸しも含みます。ポイントは、「いつまでに家を戻したいか」を契約上はっきり決められることです。その実現手段として中心になるのが、次の「定期借家契約」です。

ポイントは「定期借家契約」

定期借家契約は、契約で定めた期間が満了すると“更新されずに終了する”**のが最大の特徴です。国交省の資料でも、定期借家は期間満了で確定的に終了し、普通借家に比べて賃貸期間が明確になる仕組みだと示されています。
イメージとしては、「2年間だけ貸します」と決めたら、2年で契約は終わり(※双方合意があれば“更新”ではなく“再契約”は可能)という考え方です。
また、定期借家には手続き上の決まりがあります。代表例が次の2つです。
● 契約は必ず“書面”で行う必要がある
● 契約前に「更新がなく、期間満了で終了する」旨を“書面交付して説明”する必要がある
この手続きを怠ると、狙い通りに「期限で終わる」状態を作れず、のちのち大きなトラブルになり得ます(ここは後半の注意点で詳しく扱います)。

「普通の賃貸(普通借家契約)」との違いを比較

短期賃貸を検討するうえで、混同しやすいのが普通借家との違いです。違いが腹落ちすると、「なぜ短期賃貸が“空き家の一時貸し”に向くのか」が一気にクリアになります。

比較ポイント 普通借家契約(一般的な賃貸) 定期借家契約(短期賃貸で多用)
契約の更新 借主が希望すれば原則更新。貸主が拒否するには正当事由が必要になりハードルが高い 期間満了で必ず終了。更新はない(※合意があれば再契約は可能)
契約期間 実務上は1〜2年が多い。1年未満だと扱いに注意が必要 6ヶ月、1年、3年など柔軟に設定しやすい
目的適合性 長期入居前提の賃貸に向く 「戻る時期がある」「数年だけ貸したい」など一時貸しに向く

つまり、“将来戻る可能性”が少しでもある空き家ほど、短期賃貸=定期借家の相性が良くなります。

空き家を「短期賃貸」する5つのメリット

空き家を短期賃貸に出すことで、オーナー(持ち主)にどのような良いことがあるのか、具体的なメリットを5つ紹介します。

メリット1: 家賃収入が得られ、金銭的負担が減る

空き家は“置いておくだけ”でコストが出ていきます。固定資産税・都市計画税、火災保険、マンションなら管理費・修繕積立金、戸建てなら草木の剪定や簡易清掃など。
短期賃貸にすると、これらのマイナスを家賃収入で補填できる可能性が生まれます。
もちろん、短期賃貸は長期賃貸より空室期間が生じる可能性があり、常に満室で回るとは限りません。それでも「0円収入で固定費だけ垂れ流す」状態から抜け出せることは、心理面でも収支面でも大きな意味があります。

メリット2: 人が住むことで、家の劣化を防げる

家は、人が住まないと驚くほど傷みます。国交省の関連資料でも、通風・通水がされない放置により、カビの発生、構造材の腐食、排水トラップの破封による悪臭や害虫侵入など、劣化が進行することが具体的に説明されています。
短期でも人が住めば、最低限、
● 換気(窓開け、通風)
● 通水(配管の乾き・臭気上がり防止)
● 日常清掃(湿気・汚れの早期発見)
が“生活行動として”行われます。結果として、家のコンディションが保たれやすく、資産価値を守りやすいのです。

メリット3: 必要な時期には必ず家を返してもらえる

短期賃貸の核はここです。定期借家は、普通借家と違って期間満了で契約が終了する設計になっています。たとえば、 ● 転勤から「3年後」に戻る ● 子どもが「5年後」に住む ● 親の介護状況を見て「2年後」に判断したい こうした“未来の予定”がある人ほど、「いつ返ってくるか分からない賃貸」ではなく、期間確定できる短期賃貸が安心材料になります。

メリット4: 将来の選択肢(売却・自己使用)を残せる

空き家問題で多いのは、「いま結論が出せない」ことです。短期賃貸は、時間を買う手段にもなります。数年貸している間に、その間に「やっぱり売却しよう」「やっぱり自分たちで住もう」と、将来のプランをじっくり考える時間を確保できます。例えば、
● 相続人間の意見調整
● 実家の使い道の検討(住む/売る/貸す/建て替える)
● 地域相場や市場環境の観察
を進められます。空き家を放置して傷ませるのではなく、家を回しながら決める。これが短期賃貸の強みです。

メリット5: 「特定空き家」に指定されるリスクを回避できる

空き家を放置して管理不全に陥ると、市区町村から「特定空家等」などとして措置対象になる可能性があります。国交省のガイドラインは、市町村が特定空家等を判断する参考基準や、助言・指導・勧告などの手続の考え方を示しています。
さらに重要なのが税の話です。国交省資料では、市区町村長から“勧告”を受けた特定空家等の敷地は、固定資産税等の住宅用地特例の適用対象から除外される措置が整理されています。
住宅用地特例が外れると、課税標準の軽減(小規模住宅用地で1/6等)が効かなくなり、税負担が跳ね上がることがあります。
短期でも人に貸して適切に管理できていれば、そもそも“放置”状態になりにくく、行政リスクを下げる方向に働きます。もちろん、貸していても管理責任がゼロになるわけではありませんが、「空き家のまま無風で時間だけが過ぎる」状態より、防衛力が高くなります。

要確認!短期賃貸の4つの注意点(デメリット)

短期賃貸は万能ではありません。先にデメリットを腹落ちさせておくことで、「こんなはずじゃなかった」を防げます。

注意点1: 貸し出すための初期費用がかかる

短期賃貸でも、人が住める状態に整える必要があります。代表的には、ハウスクリーニング、設備修理・交換(給湯器、エアコン、水栓、換気扇など)、破損箇所の補修、壁紙や床の部分補修、火災保険の手配などです。
どこまで直すべきかは、物件状態とターゲット(法人転勤者向け、ファミリー向け等)で変わります。やりすぎると回収が長期化しますし、やらなすぎると募集が決まりません。ここは短期賃貸の募集経験がある不動産会社に現地を見てもらい、費用対効果で線引きするのが現実的です。

注意点2: 収益が安定しにくい(空室リスク)

短期賃貸は、契約期間が短い分、入退去の回数が増えることと募集期間が発生しやすいことという構造的なリスクがあります。
そのため、長期賃貸と比べて「毎月ずっと家賃が入る」前提で組むと、ブレが出ます。対策としては、募集対象を明確にする(転勤者、法人契約、近隣の建替え仮住まい等)、家具家電付きにするかどうかを含め、需要のある仕様に寄せる、“短期でも借りたい人がいる家賃帯”を外さないといったマーケット設計が必要になります。

注意点3: トラブル対応や管理の手間が発生する

短期でも賃貸は賃貸です。「お湯が出ない」「雨漏りがする」「鍵が壊れた」などの設備トラブル対応、家賃入金管理、近隣クレームなど、オーナー業務は発生します。
ただし、ここは現実的な逃げ道があります。管理会社へ委託すれば、入居対応・入金管理・一次受付を任せられます。国交省のQ&Aでも、仲介者(宅建業者)が賃貸人の代理人として事前説明を行える旨など、実務上の分担が整理されています。自分で全部抱える前提にせず、委託コストと手間削減のバランスで考えることが大切です。

注意点4: 契約手続きが厳格(専門知識が必要)

短期賃貸(定期借家)の最大の落とし穴はここです。
定期借家は、メリットの裏返しとして法定手続きが厳格です。国交省資料でも、
● 書面で契約する必要
● 契約前に「更新がなく満了で終了」を書面交付して説明する必要
が明確に示されています。
さらに、契約期間が1年以上の場合は、期間満了の1年前から6か月前までの間に、契約終了の通知が必要とされています。もしこれらの手続きを抜け落とすと、「定期借家のつもりだったのに、普通借家のように扱われてしまい、期限で終了できない」リスクが現実化します。だからこそ、定期借家の実務経験がある不動産会社・管理会社に依頼することが不可欠です。

空き家の短期賃貸を成功させるためのステップ

「短期賃貸も選択肢に入れよう」と思った人向けに、まず動きやすい流れを3ステップに整理します。

ステップ1: まずは「貸せる状態か」をプロに相談する

最初にやるべきは、募集サイトを眺めることではなく、現地を見られるプロに相談することです。自分の空き家が、そもそも人に貸せる状態なのか、どの程度のリフォームが必要なのかを、短期賃貸や空き家活用に詳しい不動産会社に相談し、現地を見てもらうことが第一歩です。

ステップ2: 募集の条件(家賃・期間)を決める

次に、オーナー希望と市場をすり合わせます。具体的には、何年貸したいか(例:2年、3年、5年)、いつまでに返してほしいか(戻る予定日)などです。
定期借家は期間設計が柔軟な反面、条件設計が甘いと“借り手がつかない”か、逆に“借り手に寄せすぎて収益が出ない”のどちらかになります。プロと一緒に、需要と収支のバランスで落とし込みましょう。

ステップ3: 管理会社を決め、入居者を募集する

最後に、運用体制を固めます。短期賃貸は入退去が起こりやすいので、管理を自力で回すと疲弊しやすいです。最初から、管理委託の範囲(一次対応、修繕手配、原状回復立会い等)、連絡フロー(緊急時の判断者)、契約手続きの実務(事前説明・書面交付・満了通知の管理)を整理して、募集開始へ進むのが安全です。定期借家の事前説明や満了通知の運用は要点なので、国交省のQ&Aや資料の趣旨に沿って漏れなく回る仕組みを作るのが重要です。

まとめ

空き家を放置すると、劣化・コスト・近隣トラブル・行政リスクが積み上がります。通風・通水がない放置で劣化が進む点は、公的資料でも具体的に示されています。
一方で、売却の決断がつかなかったり、普通借家で貸して将来返ってこない不安があったりして、動けない人が多いのも現実です。
その中で、短期賃貸(定期借家契約)は、家賃収入で固定費を補えること、人が住むことで劣化を抑えやすいこと、期限を決めて返してもらえる設計ができること、将来の売却・自己使用の余地を残せることという点で、空き家オーナーにとって有力な選択肢になり得ます。
ただし、定期借家は手続きが厳格です。個人で抱え込むより、実績ある不動産会社・管理会社と組んで、最初から“ミスが起きない運用”を作ることが成功の鍵です。
「自分の空き家でも短期賃貸ができるか知りたい」
「どれくらいのリフォーム費用で、家賃がいくらになりそうか査定したい」
「まず何から始めればいいか分からない」
このようなお悩みをお持ちの方は、空き家活用や不動産管理の実績が豊富な「株式会社ネクスト・リアルプラン」まで、お気軽にご相談ください。

Copyright © 株式会社ネクスト・リアルプラン All Rights Reserved.