住宅金融支援機構の「2016年度民間住宅ローン利用者の実態調査」から民間住宅ローン利用者に対するアンケート調査結果を見た場合、変動金利型を選択した人は49.2%とほぼ半数であることがわかっています。
しかし本当に変動金利型の住宅ローンについてリスクを理解した上で選択されたのでしょうか。変動金利型は借入後の金利上昇により、金利や返済額が増えるリスクがあることを理解しておかなければ後で大変です。
住宅ローンを利用してマイホームを購入したのは良いけれど、その後の金利上昇で住宅ローン破綻してしまう人が出てくるとも考えられます。
住宅ローン金利の種類について理解を
住宅ローンを利用する時には、まず金利の種類を確認することになるでしょうが、種類としては変動金利型、固定期間選択型、全期間固定金利型の3種類です。
金利が最も低いのは変動金利型と固定期間選択型の固定期間2年や3年などです。次の固定期間選択型の10年などで、全期間固定金利型が最も金利が高いと言えます。
・変動金利型 市場の金利動向で適用金利が変動するので返済額も変わるタイプ
・固定期間選択型 特約期間中は固定金利で、その後変動金利型に切り換えるか固定期間選択型にするかを選ぶタイプ
・全期間固定金利型 契約時の金利と返済額が完済まで変わらないタイプ
種類によって金利変動の有無などが異なる
住宅ローンは元本が大きいので、金利が1%違っただけでも返済額は数万円とかなり異なります。
変動金利型の場合、増額率が大きくなり過ぎると家計への負担も大きくなりますので、増額率は25%までというルールが設けられています。しかし固定期間選択型には25%ルールが適用されないことを理解しておきましょう。
全期間固定金利型なら返済額は増えない
全期間固定金利型の場合には、契約時の金利が若干高めだったとしてもその後市場の金利に影響することもなく、返済額が増えるリスクはありません。
変動金利型や固定期間選択型の固定3年などを選択していても、後で金利が0.5%程度上がればほとんど差がなくなり、それ以上になれば逆転して全期間固定金利型のほうが返済額は少なくなります。
リスクを十分理解した上で選択を!
上記のようなリスクがしっかり理解されているのか否か、それでも5割近い人は変動金利型、4割近い人は固定期間選択型を選択しています。全期間固定金利型を選んだ人は1割強程度です。これでは金利が上がり始めたと同時に住宅ローン破綻してしまう人が続出するかもしれません。
住宅ローンを組む時にどの金利の種類を選ぶかは本人です。住宅を取得する時には住宅選びが最優先になってしまい、ローン選びは二の次になってしまいがちですが、後でせっかく購入したマイホームを手放さなくてはいけなくなる事態に追い込まれないためにも、内容をよく理解した上で決めることが大切です。