ビルやマンションなどの敷地に、一般の人が自由に行き来できる空間が設けられていますが、この空間を「公開空地」と言います。通路や植栽などが整備された快適な空間であることが多く、自由に通行できる場所です。
そもそも公開空地は、総合設計制度により、敷地に一定以上の広さを公開空地として設ける場合、容積率や道路高さ、隣地高さ、北側高さ、絶対高さといった各種の高さ制限が特定行政庁の許可範囲で緩和されるという制度です。
これらの制限を緩和するためには、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可することになります。特定行政庁の許可を受けるためには、公開空地の面積を都市計画で規定された建ぺい率による空地面積と同じ、またはそれ以上にする必要があり、敷地面積の最低基準も定められています。
容積率とは何の割合?
延べ面積を敷地面積で割った数値が容積率です。敷地面積100㎡で、その敷地上の住宅の延面積が90㎡なら住宅の容積率は90%です。
建物の容積率の限度は用途地域ごとに都市計画で指定されています。ただし前面道路の幅が狭い場合、指定された容積率を使い切ることは不可能な場合もあります。
建物の高さ制限について
建物全体の高さや相隣関係などによる斜めの線といった色々な制限があります。適用の有無や具体的な数値などについては、用途地域で異なりますので都市計画などで確認が必要です。
そもそも敷地とはどの部分?
ビルやマンションなど、建築物のある土地を「敷地」といいます。
同じ敷地の上に建築物が2つ建っている場合には、それぞれの建築物を用途上分けることができなければ同一敷地にあるものとみなします。仮に所有している土地に住宅と物置がそれぞれ建っていても、2つは用途が同じなら別々の敷地に建てたとすることはできないということです。
なお、敷地についても色々な取り決めがされており、例えば道より高い位置でなければならなかったり、湿潤な土地や出水が多い土地の場合は盛り土や地盤改良が必要だったりします。
また、雨水と汚水を外に排出する下水道などの仕組みが必要ですし、崖崩れ被害を回避する擁壁の設置も必要とする場合もあります。
マンションで注目したい空地率!
敷地面積から建物が建っている部分の面積である建築面積を差し引いて、敷地面積で割った数値が空地率です。敷地のうち、建築物が建てられていない空地の割合を示します。
空地率が高ければ建築物の周囲環境が良好になるので、マンションなどの場合には窮屈さを感じない快適な居住空間を確保できると考えられます。
近年では高い空地率を確保して、歩行用通路や植栽、樹木などを整備した不動産価値が高められたマンションも多く販売されていますのでチェックしてみると良いでしょう。