空き地に無断で駐車している車にはどのような対応が適切?
2019/10/24
空き家・空き地
もし自分が所有している空き地に無断で車が駐車されていたら、停めていた相手に賠償請求できるのでしょうか。
空き地でなく、コンビニやスーパー、レンタルDVDショップなど、24時間営業の店舗の駐車場には、毎日のように同じ車が停めているという場合もあります。
店舗などでは顧客が常に出入りしている状態なので不法駐車なのか判断がつきにくい状況ですし、空き地は常に所有者の目に触れるわけでないため無断で車を停められてしまいやすくなります。
無断駐車は不法行為!
無断駐車ほど迷惑なことはありませんが、例えば空き地に対する無断駐車であれば、他人の所有する敷地内に勝手に侵入し占有することになります。
営業している店舗などの駐車場の場合でも、本来はそのお店を利用する顧客のために車を停めるスペースとして開放しているので、顧客が車を停めることができないことで利益を得る機会を喪失することに繋がります。
看板に「無断駐車したら罰金○○円」の掲載は有効?
無断駐車は民法上では不法行為が成立することになるので、損害を被れば損害賠償請求が可能になるといえます。
では、空き地や駐車場に「無断駐車をした場合は罰金○○円を徴収します」といった看板などを立て賠償金として請求することはどうでしょう。罰金とは刑罰の一種であり一般人が他人に科す権利はないとされているため、実際にはこの方法が通用するとは考えにくいといえます。
罰金という名目でなくても、設定したて金額に何らかの裏付けがないのなら無断駐車1回一律いくらを請求することは難しいと考えられるでしょう。
ただ、周辺の駐車場でどの程度の駐車料金を徴収しているのか確認し、その金額相当分を請求することはできるはずです。そこで、無断駐車している車両の写真と、停めている時間を記録し証拠として残しておくとよいでしょう。
勝手にレッカー移動は反対に訴えられる可能性大!
また、空き地や駐車場の所有者がレッカー車を手配して無断駐車している車を移動させたり、タイヤにロックをかけ移動できない状態にするのは違法行為に該当してしまいます。
権利を侵害されているのは土地の所有者なのに、国家機関の手続きでなく自らが権利回復をすることは許されていないからです。
そのため、反対に損害賠償請求されてしまう可能性もありますので、十分に注意しましょう。
警察に相談して移動してもらえるようにコンタクトを取ってもらうのは可
無断駐車している車を異動させたい場合には、警察に通報すれば車の所有者にコンタクトを取り、移動するように連絡はしてもらえます。ただ、私有の土地なので警察が強制的に移動させることはできないのが現状です。
また、無断駐車している車に注意書きなどで張り紙をする場合には、ガラス窓にわざと跡が残るような接着剤を使用したりせず、ワイパーに挟んでおくなど車に傷など付けない方法で行っておくことも必要です。
本来なら空き地など土地の所有者側が被害者であるのに、なぜ無断で駐車している車の持ち主に気を使う必要があるのか…と納得できない部分はあるかもしれませんが、反対に損害賠償請求されてしまう立場にならないためにも十分注意して行動するようにしてください。