再婚相手の連れ子を相続人にしたい場合に必要な手続きとは?
2019/09/19
相続のこと
子連れの再婚では、再婚して新しく配偶者になった相手と子どもも自動で親子関係になるわけではありません。そのため、再婚相手の方が亡くなった場合、連れ子は亡くなった方の財産を相続する権利を得ることはないとされています。
もし連れ子にも財産を残してほしいという場合、養子縁組の手続きを行うかで、遺言書を作成することが必要です。
相続権が発生する関係
民法では、誰が亡くなった方の相続人となり、財産を相続する権利を得るのか、法定相続人の範囲と順位が定められています。
まず配偶者必ず相続人となるため、再婚相手の方が亡くなればその夫、または妻は相続人として財産を相続する権利を得ます。
同時に血族相続人も相続権を得ますが、子(または卑属)、親(または尊属)、兄弟姉妹の順で法定相続人となります。
一緒に生活していなくても相続人になれるケース
相続権を得て相続人となる「子」は、戸籍上の血族相続人です。ただ、亡くなった時にその配偶者である妻のお腹の中にいた胎児も血族と認められますので相続人となります。
さらに婚姻届けを出していなかったけれど亡くなった方の実子である場合や、婚姻関係にない相手との子も、認知していれば相続人に含まれます。
夫婦が離婚し、夫婦関係は破綻したとしても元夫婦間に誕生した子は実子ですので、離婚後ずっと会っていないという状況でも相続人です。
連れ子を相続人にするためには?
しかし再婚相手の連れ子の場合、血族ではないけれど生活は共に送り、親子のように過ごしているという場合もあるでしょう。
それでも法律上は法定相続人として認められることはありません。もし連れ子を実子同様に法定相続人としたい場合には、養子縁組の手続きを行うことが必要です。
養子縁組とは親子でない双方を親子関係に結びつける法律上の手続きです。
亡くなった方の養子になっていれば、連れ子でも実子同様に財産を相続する権利を得ることができます。
遺言書を作成する場合は遺留分に注意!
事情があり養子縁組は難しいという場合、亡くなる前に遺言書を作成しておくことで、養子に財産を譲渡することも可能です。
ただ、遺言書を作成する方に連れ子以外の法定相続人が存在する場合などは、その他の相続人が最低限相続できる遺留分を侵害しないことがポイントです。
遺留分は一定範囲の相続人に最低限保証された相続の取り分ですので、すべて養子に財産を譲渡すると遺言書を残していたとしても、遺留分を侵害された相続人から請求を受ければ応じなければなりません。
例えば養子以外に別の実子がおり、亡くなった方が養子に全財産を相続させたいと遺言書を作成していても、全相続財産の4分の1は実子が相続するものとして扱われるため、実子から養子に侵害された相続分を請求される可能性があります。
トラブルが発生しないように、遺言書を作成する時には遺留分に配慮することも忘れないようにしてください。