建物があっても土地の固定資産税が増税されるケース
空き家の所有者の多くが、建物と土地をセットで所有していることでしょう。
この場合、空き家が古くなっても取り壊してしまうと、その敷地の固定資産税が高くなるためとりあえず残しているといったケースも少なくありません。
しかし2015年に施行された「空き家対策特別措置法」により、管理が行き届いておらず倒壊リスクなどの高い空き家については、特定空家に指定できるようになりました。
もしこの特定空家に指定された場合には、固定資産税と都市計画税の軽減措置が適用されなくなり、土地の固定資産税はそれまでの6倍に増税されてしまうため、意味がありません。
軽減措置が適用された場合の固定資産税
固定資産税の軽減措置のうち200㎡以下の部分(小規模住宅用地) は、
固定資産税=土地の評価額×1/6
都市計画税=土地の評価額×1/3
となります。
200㎡を超える部分(一般住宅用地)については、
固定資産税=土地の評価額×1/3
都市計画税=土地の評価額×2/3
で計算されます。
そのため軽減措置が適用された場合の固定資産税は、
固定資産税=(家屋の評価額×1.4%)+(土地の評価額×1/6×1.4%)
となり、本来の土地の固定資産税よりもかなり低く抑えることができます。
地域によって課税される都市計画税の場合も、
都市計画税=(家屋の評価額×0.3%)+(土地の評価額×1/3×0.3%)
となるため税金を抑えることが可能です。
特定空家に指定されれば一気に増税される
しかし特定空家に指定されてしまうと上記の軽減措置は適用されず、
固定資産税=固定資産税評価額×1.4%
都市計画税=固定資産税評価額×0.3%
という計算式で算出された税金がかかります。
本来なら土地部分にかかる固定資産税は6分の1、都市計画税3分の1に軽減されていたものが一気に増税される形です。
古く老朽化した空き家でも、所有していれば軽減措置が適用されるといったことはないため、もし空き家を所有するのなら適正管理が必要といえます。
空き家の固定資産税が6倍に増税されるのは、特定空家に指定された翌年からですので、税金の負担を増やさないためにもしっかり管理を行うようにしてください。