2019/01/17
不動産の売却で利益が出た場合は譲渡所得となり、譲渡所得税の課税対象となるため確定申告が必要です。
譲渡所得を計算するためには、売却した不動産を取得するためにかかった費用である取得費、そして売却する時にかかった経費である譲渡費用を確認しておくことが必要です。
支払った経費はすべて譲渡費用?
不動産を売却する時にかかった経費が多ければ、その分、利益は少なくなるので課税される税金も少なくなります。
そのため、譲渡費用は漏れなく計上しておきたいところですが、売る時に支払った費用をすべて経費にできるわけではありません。
譲渡費用に含まれる費用
譲渡費用となるのは、あくまでも不動産を売却するために直接必要とされる費用で、例えば次のような費用のことです。
・不動産仲介業者に支払った仲介手数料
・売主が負担した印紙税
・貸家を売却するために借家人に家屋を明け渡してもらうための立退料
・土地を売るための建物取壊し費用と建物の損失額
・売買契約締結後に、さらに有利な条件で売却するため、当初の契約者に支払った違約金
・借地権を売る際に地主に承諾してもらうために支払った名義書換料
・売却のために行った測量の費用
維持・管理の費用は譲渡費用に含めることはできない
売却する建物に対してこれまで行った修繕にかかった費用や毎年課税されていた固定資産税など、所有していた期間中における維持・管理費用は譲渡費用に含まれません。
さらに、住宅ローンの抵当権を抹消するためにかかった費用、売主の引越し費用、売却代金を取り立てるために要した費用などについても、譲渡費用に含めることはできないので注意しましょう。
ただし、買主から要請があり、売ることを目的として行ったリフォーム費用は譲渡費用として認められることもあります。
経費として計上できる費用は抜かりのないように!
測量費については、売却のための費用なら譲渡費用として認められますが、売却する時期よりかなり以前に実施した測量は売買と関係がないとみなされ、譲渡費用として認められない可能性が高くなります。
そのため、測量を行う予定があるのなら、譲渡が決まってから実施したほうがよいでしょう。
土地を売るために造成にかかった費用については、譲渡費用ではなく取得費として認められます。どれが譲渡費用か取得費か混乱する部分もあるかもしれませんが、いずれにしても経費として差し引くことができる費用なので、計算上、抜かることのないようにしておきましょう。