2019/06/18
例えば、夫の親と同居していたけれど先に夫が亡くなり、そのまま義理の親の介護など面倒を看ていたとします。
その後、義理の親が亡くなった時、当然自分は義理の親の財産を相続できるものとばかり思っていたら、実は相続権がなかった!と後になって分かるケースもあるようです。
なぜ先に亡くなった夫の親と一緒に生活していて面倒を看ていたのに、財産を相続する権利はないのでしょう。
夫が先に亡くなれば義理の親の財産は引き継げない
結婚すれば夫の名字となり、夫の親は義理の親ということになります。本来であれば、夫の親が先に他界し、夫が親の財産を相続するはずだったでしょう。しかし、親よりも先に夫が亡くなってしまった場合、夫は財産を引き継ぐことがなく、その配偶者も夫が引き継ぐ予定だった財産を引き継ぐことはできません。
仮に夫に兄弟姉妹がいた場合には、たとえ義理の親の面倒などは看ていなかったとしても、その兄弟姉妹が財産を相続する権利を得ます。
ただ、夫のとの間に子がいた場合には、夫が引き継ぐ予定だった義理の親の財産を子が亡夫に代わり代襲相続できます。
寄与分は認められるのか?
亡くなった方の財産の維持、または増加について、特別に貢献をした方に対して法定相続分を超える相続分を与える寄与分の制度があります。ただ、この制度が認められるのは相続人に対してなので、夫の妻は相続人ではないため寄与分も認められません。
どれほど義理の親に献身に尽くしても、先に夫が亡くなってしまえば財産を相続する権利はないということです。
義理の親から財産を譲ってもらうためには
面倒を看てもらった義理の親にとっても、自分に献身的に尽くしてくれた人に財産を残してあげたいと思うものでしょう。もし同居している家が実家なら、実家も相続財産に含まれるので義理の親が亡くなったことにより、夫の妻は住むところも失ってしまうかもしれません。
義理の親の財産を相続する方法としては養子縁組を結ぶ方法があります。養子になることで、夫の兄弟姉妹と同じ相続権を得ることとなるので、財産の一部を相続することが可能です。
もしくは遺言書を作成してもらう方法があります。この場合、他の法定相続人から遺留分を主張されることもあるでしょうが、それでも財産を全く受け取れなくなるわけではないですし、遺言書は亡くなった方の意思を示すものなので、誰にどのように財産を譲りたいと考えているかを明確にしてもらうことができます。
もし義理の親の面倒を看ていて、将来義理の親が亡くなった後に不安があるのなら、このような方法もあると知っておくとよいでしょう。