2017/04/27
空き家が増え問題になっている背景として、土地に対する固定資産税の特例による税負担の軽減があります。
家屋が老朽化すると周囲に悪影響を与えてしまいますので、所有する人も取り壊したくても解体すれば土地の固定資産税が3~4倍に増えてしまいます。
政府も何とか空き家問題を改善させるために対策を進めていますが、空き家の撤去は進まない状況です。
空き家の放置は危険
家屋が老朽化したまま空き家状態で放置されると、倒壊の危険だけでなく犯罪の温床や失火の原因になります。
管理せずに換気や手入れがされていなければ害虫や害獣被害も発生し、不法投棄で悪臭や景観に影響を及ぼすことも考えられます。
解体費用の負担が苦しい
しかし解体費用は木造の場合だと坪2~3万円はかかるでしょう。今後使うことのない家に対して支払う金額となれば高額に感じるのは無理がありません。
更地にした後で売却する予定があれば解体費用も譲渡費用として計上されますが、地方の特に田舎の土地では売却差益を得られる可能性が低いことで費用を負担するだけになるでしょう。
家を解体することによるリスク
解体すると原則幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないという建築基準法の接道義務に抵触してしまい、再建築ができない物件になれば価値が低下します。
それに加えて解体すると固定資産税の特例から外れてしまい、税金が3~4
まで高くなることが解体に至らない要因と考えられます。
固定資産税の特例
土地が家屋の敷地になっている場合には、住宅1戸について敷地200㎡までの固定資産税を6分の1に、そして200㎡を超え床面積の10倍までの固定資産税は3分の1に軽減するという措置が固定資産税の特例です。都市計画税についても同様の措置が取られています。
特定空家に指定された場合
空き家対策特別措置法で空き家の中でも早急に対策が必要な空き家は「特定空家等」に分類されます。特定空家等とはそのまま放置しておくと倒壊や保安上危険な空き家を差します。
特定空家に指定された場合、自治体から対策を迫られているのにもかかわらず所有者が対策に応じなければ自治体が強制的に解体などをして費用が請求されます。
更地になり、土地の固定資産税に対する特例がなくなれば必然的に固定資産税は高くなります。
田舎の土地なら固定資産税はそれほど上がらない?
ただし特例の適用は床面積の10倍までと決まっているので、土地が広いなら更地にした際に固定資産税の上昇率は下がります。
地価が高い地域は更地すると固定資産税は大きくなる傾向が強くなりますが、田舎など地価が低く土地が広い場合は更地にしても固定資産税が上がりにくくいため更地にするリスクは低いでしょう。
そのためもし田舎で空き家状態のままにしている家がある場合には、固定資産税が上がることを恐れずに更地にすることを検討してみましょう。