2018/06/17
現在日本では社会問題化している空き家の増加について、放置された解体してその跡地を防災拠点に活用するといった動きが各自治体で広がり傾向にあるようです。
密集地に老朽化した空き家があると、倒壊や放火などの危険性が高く近隣住民の悩みの種となってしまいます。しかしその空き家を、万一緊急事態が起きた時に防災拠点として住民が集まることができる場所に変えようということは、活気的な取り組みだといえるでしょう。
空き家は全国に820万戸!
総務省の調査では全国の空き家は2013年時点で既に約820万戸でした。現在はさらに増加していると考えられますし、全住宅の14%近くを占めている状態です。
すべての空き家がしっかり管理されているとはいえない状況であり、中にはまったく管理が行き届いていない家もあるなど、周辺に暮らす住民が倒壊や火災などの不安を抱えることも少なくありません。
空き家や空き地を提供することによるメリット
空き家に知らない人が住みついて犯罪を起こすのではないか、地震や台風などで剥がれた壁や屋根が飛んできたり倒壊したりという危険性はないかなど、近隣住民にとって古い木造の空き家があることは安心して生活を送りたい人の妨げにしかなりません。
この防災拠点に活用するという方法は、土地を無償で提供した所有者にかかる税金の優遇措置や解体費用の助成を行うなど、所有者と地域の両方にメリットがある試みになっています。
実際にどのような取り組みが実施されている?
東京都文京区では倒壊などの危険性がある空き家に対して200万円を上限に解体費を所有者に助成し、跡地を駐輪場や広場にするために10年間貸すということで土地の固定資産税は全額免除になるようです。
また、兵庫県神戸市では、防災空地として空き地を活用する目的でなら解体費用は全額補助し、固定資産税の納付を免除されます。
いざという時の災害対策にはもちろんのこと、密集地域で火災が広がることを防ぐことにも繋がるといえるでしょう。
固定資産税の軽減措置が適用されなくなるなら・・・
空き家を取り壊せば土地の固定資産税が更地の6分の1に軽減される措置が適用されなくなるなど、所有者は税負担が重くなることを懸念して放置しているケースも多くみられます。
しかし、空き家対策特別措置法が成立したことにより、倒壊などの危険や景観、衛生面で害があると判断された空き家は特定空家等として、税制優遇の対象に含まれなくなっています。
このような事態も踏まえ、今後は空き家を防災に役立てる取り組みがさらに広がることも考えられるでしょう。