2020/04/27
不動産を売却し利益が出れば譲渡所得となり税金が課税されます。そのため譲渡所得を算出する上では、売った不動産を得た時にかかった費用である取得費や、売った時に発生した費用である譲渡費用についてその内容を把握しておくことが必要です。
そこで、どのような費用が取得費や譲渡費用に含まれるのか、その内容を把握しておきましょう。
取得費として含まれる費用は?
不動産を売った時、売った不動産を得る時にかかった取得費から、売却する時の費用を差し引いて利益が出れば税金の課税対象です。
この時発生した売却益は譲渡所得となりますが、譲渡所得を計算する際の取得費に含まれるのは具体的に次のような費用です。
・土地や建物の購入代金
・建物の建築代金
・購入の際に発生した登録免許税、不動産取得税、印紙税などの税金
・不動産仲介業者に支払った仲介手数料
・測量費や整地費・建物の取り壊し費用・改良費など
・一定の借入金利子
土地と建物の取得費は別々に計算を
例えば土地の場合は、購入した時の金額や手数料などの合計額を取得費とします。
しかし建物の場合、建築代金や購入価格などがそのまま取得費にはなりません。なぜなら建物は時間の経過によって老朽化したり、使用によって損耗したりと価値が年々減少するものだからです。
そのため、建物の取得費を計算する時には、建築や購入にかかった合計金額から減価償却費相当額を差し引くことが必要です。
土地と建物をひとまとめで購入しているケースは?
建売の一戸建て住宅やマンションなどのように、土地と建物をひとまとめに購入している場合には、土地と建物がそれぞれいくらだったのか判断できない場合もあるでしょう。
この場合、次の方法で建物購入にかかった金額を算出し、合計金額から建物分を差し引いて土地分の費用を計算できます。
・建物に対する消費税から建物価格を逆算する
・標準的建築価額から建物価格を計算する
・土地と建物の固定資産税評価額の比率で按分し計算する
・不動産鑑定士による鑑定価格を参考に土地と建物の時価を算出し按分する
取得費がいくらかわからない時は?
相続などで引き継いだ不動産の場合、元の所有者が購入した当時の売買契約書などが残されておらず、取得額がわからないこともあるでしょう。
この場合、売った時の収入額の5%相当額を取得費として計算します。ただし購入した金額が概算取得費より多い場合、不利益になるためできるかぎり売買契約書は残されていないか探してみましょう。
また、売買契約書は残っていなくても、住宅ローンを利用した際の金銭消費貸借契約書やローンの償還表、不動産の登記簿謄本に記載されている抵当権設定金額などで購入価格を証明できる資料や書類を添付することで認められることもありますので税務署に相談してみるとよいでしょう。